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予期せぬトラブルを防ぐ!太陽光発電にはどのような点検が必要?

自家用や投資用などで太陽光発電設備を運用しているものの、点検は一度も行ったことがないという方や、発電効率が落ちても原因がわからないため対処できず、そのままにしているという方は少なくないと思います。

設備は精密機械のため、点検やメンテナンスは基本的に専門業者へ依頼をします。その際、何を点検するのか、どの程度の頻度で依頼すれば良いのか、また、日頃から自分でもできる点検ポイントについてご紹介します!

設備の点検が必要な理由

まずは、なぜ太陽光発電設備の点検が必要なのかを確認しましょう!

故障による事故を防ぐ

異常に気づかないまま運用を続け、機器の故障が生じてしまった場合、配線の接触などにより火災が発生するおそれがあります。また、パネルを支える架台のネジが緩んでいたり、支柱が錆びつきしっかりと支えることができていない場合、突風や台風などでパネルが吹き飛ばされてしまう可能性があります。

発電量の低下を防ぐ

普段から発電量をこまめに確認している方もいるかと思います。設備を運用していると、年々、ごくわずかに発電量が低下していきますが、低下する要因として、経年劣化以外の物理的な損傷やパネル表面に付着した汚れが原因となっている可能性があります。定期的な点検を行うことにより、より長く安定した発電を続けることができます。

保守点検が義務になる場合も

2017年4月1日より施行された改正FIT法により、住宅用・産業用問わず、一部の特例を除いて、太陽光発電の保守点検が義務化されました。

※発電量が50kW以上の太陽光発電所については、FIT/非FITを問わず電気事業法で定期的な保守点検・維持管理が義務化されています。

保守点検・維持管理が適切に行われていないと判断されてしまった場合、指導・助言などの措置が取られたり、最悪の場合FIT制度の認定が取り消されてしまう可能性があります。

発電量が50kW未満で、全量自家消費またはFIT制度を適用していない太陽光発電設備には保守点検が義務化されていませんが、故障による思わぬトラブルを予防するためにも、可能な限り点検・メンテナンスを行うことをおすすめいたします。

点検は誰にでもできる?

日本電気工業会と太陽光発電協会が発表している「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」には、基本的に適格な技能・資格を持つ業者へ依頼して、定期的に保守点検するような旨の記述があります。ですが、場所や程度によっては個人でも目視などで異常に気づくことができ、故障や発電量低下を未然に防げる場合もあります。

点検内容

太陽光パネルの点検

パネル内部のはく離や破損、亀裂が生じる代表的な原因として、パネル表面の汚れがあります。泥汚れや鳥のフンが太陽光パネルに付着しているかどうかや、地域によっては噴火による降灰、潮風による塩害などを受けていないかを点検します。

太陽光パネルどうしが連結し、かたまりになっている状態のものを「太陽電池アレイ」と呼びます。太陽電池アレイの下に野生動物の巣が作られていないかや、太陽光パネル同士を結節しているコネクタに発熱などの異常が無いかを点検します。

パワーコンディショナーの点検

パワーコンディショナーのランプとディスプレイの確認により、異常がないかどうかを判断します。また、システム的な異常だけではなく、パワーコンディショナーが入っている筐体についても点検を行います。筐体が腐食し内部が汚れていないかや、内部にげっ歯目動物の巣が作られていないか、内部の汚れなどによりフィルターのつまりや過熱による焦げ跡が無いかを見て、異常が発見された場合は新しいフィルターや部品に交換するなどの措置をとります。

断路器、遮断器

断路器、遮断器は分電盤内に設置され、ブレーカーの役割を果たします。太陽光発電で発電した電力は、余剰電力を売電するために逆流することになるのですが、一般的なブレーカーでは制御できずに焼損してしまうおそれがあるため、住宅用とは異なる専用の機器が接続されています。

分電盤内のほこりなどごみの蓄積が原因で端子に焦げ跡が付いていないかを確認するほか、断路器、遮断器の製造業者が公表している推奨値や実際の運用で記録されてきた発電性能データに基づき、動作確認を行います。

配線

強風が吹いた際に配線の位置がずれ、配線の一部が張ってしまったり、どこかに擦れていないかを確認します。

太陽電池架台や周辺環境

太陽光発電設備を囲んでいるフェンスの劣化や、立入禁止を促す看板の劣化により視認性が下がっていないかどうかを点検します。また、設備を設置している土壌環境に、げっ歯目動物の活動や、地盤沈下、霜などによる土の膨張などの変化の有無を確認できた場合、土台の補強や交換などの措置をとり、予期せぬ倒壊を予防します。

点検の頻度

ここまでご紹介してきた点検内容は、ほとんどが短期間では大きな故障の原因になることは考えられにくく、半年から1年に一回程度の実施が推奨されます。

次に、個人でも行うことができる点検をご紹介します。月に一回程度、こまめに点検することで、より安全に太陽光発電設備を運用することができます。

日頃気にかけておくこと

太陽光パネル表面の汚れ・ごみの撤去

太陽光パネル表面に付着した汚れは、気づいたらすぐに拭き取ることで、発電量低下を引き起こさないよう個人でも対処することができます。汚れが広範囲にわたって付着していたり、時間が経っていて擦らないと落ちないような汚れは、パネル表面のガラスを傷つける可能性があるため、個人では清掃せず、専用の道具での洗浄ができる業者へ依頼しましょう。

パワーコンディショナーや分電盤の筐体内部のごみの撤去

ごみが溜まりやすい場所ですので、できればこまめに確認し、落ち葉や砂埃などの撤去をしましょう。

発電量メーターで異常がないか確認する

これまで計測されてきた発電量があるタイミングで急激に下回る場合は、摩擦や野生動物によって配線が断線するなどの設備の故障が生じている可能性があります。感電の危険性があるため、異常に気づいたら自分で直そうとせず、その先の点検や修理は専門の業者へ依頼しましょう。

パワーコンディショナーの異音や異臭

パワーコンディショナーは通常稼働している際にも、運転時に発生する「キーン」という音や、気温の変化時に金属の膨張・収縮などによって「カチン」「パキン」などと音が鳴ることがあります。一方、「ブーン」という低い音や「キュルキュル」といった音がパワーコンディショナーから聞こえてきた場合は、内部のモーターや他の部品が故障している可能性があります。この場合、点検やメンテナンスを行っている業者や、メーカーへご連絡ください。

最後に

異常に気づいたときや、保守点検・メンテナンス・撤去のご相談は、ソーラーメンテ.jpまでご連絡ください!周辺環境の不安にも、弊社がもつ建築の知見を活かし、よりよい設備運用をサポートいたします。

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