解体・撤去

もう義務化されている?撤去費用の積み立て制度について

近年、太陽光発電設備を導入する事業者は増加しており、皆さんの身近にも、つい先日までは手入れのされていない空き地や廃墟が取り壊されたり整備されたりして、中~大規模の太陽光発電設備に変わっているのを目にする機会も多いのではないでしょうか。設置に費用が発生するにも関わらず、様々な場所で設備の導入がなされるのは、国による補助制度の充実化や、機械そのもののコストの低下が進んだことで、導入のハードルが下がったことが理由に挙げられるでしょう。

一方、今後の太陽光発電をとりまく懸念点として、設備の不法投棄が取り沙汰されています。これに伴い、廃棄費用の積み立てが義務化されるのですが、なぜ今廃棄が問題視されているのか、廃棄費用の積み立てはすでに義務化されているのか、これから太陽光発電事業を始めようとしている方が留意するポイントなどをまとめてみました。ぜひご覧ください。

今、廃棄が問題視されている理由

太陽光発電設備を運用している事業者が多い

太陽光発電設備は元々商業ベースで利用され始め、2000年代以降から一般家庭への普及も進みました。特に、家庭用では余剰電力分を、事業用では発電した電力すべて(2020年まで)を決まった期間、決まった価格で必ず企業に買い取ってもらえるFIT制度の活用や、太陽光パネルの製造技術の進化により大量生産ができるようになり、コストの低減が進んだことで2012年頃からさらに普及が加速しました。世間のクリーンエネルギーへの関心も高まり、今日までにも太陽光発電を新たに始める事業者も増加しました。

初めてのFIT制度の施行から10年以上が経過。相次ぐ卒FITで心配されていることとは

導入ハードルを下げたFIT制度ですが、企業が買い取ると約束しているのは、法律で定められた設置から10年の間のみです。2020年度以降は余剰電力分は売電することで収益となっていたものが、電力の買い手がつかなくなる可能性があります。また、電力を売る際の固定価格も年々下落しており、太陽光発電の運用をやめてしまう事業者も出てきています。

太陽光発電システムは撤去作業にかかる費用だけではなく、太陽光パネル、配線、パワーコンディショナーなどの機材が産業廃棄物となるため、中間業者へ依頼する手間がかかるだけではなく、処分料も発生します。決して安くはない撤去費用や処分料の発生を避けるため、人家の少ない山林への放置や、公共の土地への不法投棄が増える懸念が上がってきているのです。

排出者の責任を明確化。廃棄費用の積み立てを義務に。

元々産業廃棄物のみならず、ゴミ全般はその排出者に処分まで遂行する義務が生じます。しかし、産業廃棄物の処分にかかる費用はかなり大きな出費となり、一度に全額を支払うことが難しい場合がほとんどです。実際、廃棄時のために費用を準備している事業者は、全体のおよそ2割程度しかいないという調査結果があります。

そこで、経済産業省 資源エネルギー庁では、FIT制度が適用された10kW以上のすべての太陽光発電設備について廃棄費用の積み立てを義務化すると発表しました。

設備を設置した時期によって異なりますが、資源エネルギー庁によると2022年7月から最も早い事業の積み立てが開始するとされています。

積立金額はどのようにして決まる?積み立て方法は?

資源エネルギー庁の資料によると、積立額は「調達価格/基準価格の算定において想定してきている廃棄等費用の水準」とあります。FIT認定された年度によって異なる調達価格(エネルギーの取引価格を指す)と、廃棄等にかかる費用の想定額、設備の利用率を元に、発電量に応じた金額が、売電収入額から天引きされ積み立てが行われます。

つまり、受け取る売電収入がそれまでよりも少し減ることになります。

天引きされた金額は「電力広域的運営推進機関」という機関に外部積み立てされますが、長期安定的な発電事業の実施に向けた事業計画を提出するなど、一定の条件を満たせば、上記機関以外で内部積み立てを行うこともできます。

積み立てが始まっているかどうかを確認する方法

積立期間は、電力買い取り期間後半の10年間が該当します。つまり、2022年7月以降に太陽光発電の運用を始める事業者は、運用開始後11年目から積み立てが自動的に開始されることになります。もしも買い取り期間の満了日まで10年を切っている場合は、義務化開始の2022年7月から買い取り満了日までが対象となるので注意が必要です。

通常、積み立てが開始される数ヶ月前から、受給電力量のお知らせと同時に積み立て開始時期が通知されます。開始時は設備運営者が何かを申請したりする必要はありませんが、突然売電収入が減ったと驚かないよう、まめに受給電力量のお知らせを確認しましょう。

導入に際しては国の補助金制度や電力固定買取制度などがあり、発電事業に参入しやすかったものの、撤去にはまだ十分な制度整備が議論されている中で、積み立ての義務化の発表に対して、中身がよく分からないという方もまだ多くいらっしゃると思います。太陽光発電をやめる人や事業者の増加が見込まれる中でも、新しい制度についてきちんと知り、売電収入を管理して納得のいく太陽光発電事業を行いましょう。

太陽光発電の撤去のご相談はソーラーメンテ.jpまで!

ソーラーメンテ.jpでは、家庭用・事業用問わず太陽光発電設備の撤去も承っております。依頼方法や、いつ頃依頼すればいいのかが分からない…そんな方でも大丈夫です。

こちらのフォームから、お気軽にご相談ください。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP